“遺跡を残して未来へつなぐ”歴史に囲まれる掛川暮らし

プロフィール

柴田慎平さん
兵庫県朝来市出身

大学で学んだ考古学を活かすために兵庫県から移住。静岡県掛川市で学芸員をして3年目。
歴史ある街 掛川で、学生時代から興味を持ち勉強してきた趣味でもある歴史調査を、仕事でもプライベートでも楽しんでいる。

澄んだ空気の気持ちの良い掛川の朝

真っ青な秋空の下、国の史跡に指定されている吉岡大塚古墳で待ち合わせした柴田慎平さんを取材しました。笑顔で挨拶を済ませるとお互いそれとなく古墳を眺めました。

「この古墳は全長約54メートル、高さが7メートルあって、ホタテ貝に似た形が特徴の古墳なんですよ。」

静岡県掛川市に移り住み 学芸員をして3年

兵庫県出身の柴田さん。大学で学んだ考古学を仕事で活かしたいと思い、現在掛川で学芸員をして3年目になるそうです。“学芸員ってどんなお仕事なんだろう…”と一瞬考え込んだ私の様子を察して説明してくれました。

「職種が学芸員ということで、掛川市内にある遺跡の発掘調査や発掘したものを保存・保護する仕事をしています。歴史や文化を未来のために守るイメージですかね…。」

掛川市の遺跡 面白い発掘調査

柴田さんが個人的に思う発掘したい掛川の遺跡は、まだ遺跡がありそうだと感じる高天神城や横須賀城だそうです。

「ある程度遺跡がありそうだな…と思えるところを掘るのは面白いですね。そこに堀があるんじゃないかと想像して、どこに調査区を入れるかを考えるのが楽しいんです!実は横須賀城って市街地化しなかったおかげで堀みたいなところや石垣もいっぱい残っているんですよ。横須賀城二の丸跡のだだっ広い敷地は、ただの空き地のように見えますが、特に壊されずにそのまま保全されたんですよね。」

柴田さんは「ここにも…、あの山も古墳跡です!あっちで発掘もしてるんです!」とちゃんと自分の知識がありながら、かみ砕いて分かりやすく説明してくれました。

仕事でも、プライベートでも歴史調査を楽しむ 掛川暮らし

仕事ではこれを調査して…プライベートでは気になるこれを調査して…と、オンオフが無い印象を持ちました。学生時代から興味を持って勉強してきたことを、社会人になっても関われるのは、なんだか羨ましいですね。

「仕事でも調査をしてるけど、休みの日もそういう古いものや歴史を調べに行ったりしてるんです。好きなんですよね(笑)。」

歴史ある街 掛川をめぐる

神亀3年(726年)に創建された歴史あるお寺、長福寺におじゃました際、石塔に目が留まった柴田さん。「これ古いですね~!」と呟き、吸い込まれるようにすたすたと歩いていきました。興味深いものに対して心を躍らせ、積極的に近づいていく姿が印象的でした。

長福寺を見学して、ご住職とお話しをする際、一通り説明を聞いたあと「これはこうなんですか?」と核心を突くような質問を投げかけていた柴田さん。しかしそれは、自分の知識をひけらかしたりするのではなく、知識に対する強い関心を示しながらも、ご住職に敬意を込めて決して失礼に当たらない立ち振る舞いから、本当に考古学や歴史学が好きなんだろうな…と柴田さんとご住職の様子を拝見しました。

言葉に淀みがなく、すーっと自分の考えが出てくる柴田さん。きっと心の中で“こうしたい”“こう思う”があるから出てくるものなんでしょうね。これからも歴史ある街での暮らしを楽しみながら、専門分野でご活躍する柴田さんを応援しています。

LINK

■和田岡古墳群

■吉岡大塚古墳

■掛川城

■高天神城

■横須賀城

■長福寺

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